試合の振り返りでは、何を考えればいいのか?

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「勝った・負けた」だけで終わっていませんか?

試合が終わった。
タイムを見る。順位を見る。

そして、

自己ベストが出た。よかった。
タイムが悪かった。ダメだった。
負けて悔しかった。

と振り返る。
もちろん、結果は大切です。

でも、その試合で、これまで練習してきたことが本番でどう表れたのかまで振り返れているでしょうか。

試合は、一つの結果が出る場です。

同時に、これまで取り組んできたことが本番でどう表れたかを確かめる機会でもあります。

試合は、これまでの取り組みを確かめる機会でもある

例えば100mに向けて、

30mまでの加速を改善したい。

と練習してきたとします。

大会で自己ベストが出た。
それだけを見れば、良い試合だったと言えそうです。
でも映像を見ると、30mまでに取り組んできた動きはうまくできていなかった。

反対に、自己ベストには届かなかったけれど、加速局面では練習してきた動きを出せた、ということもあります。

結果だけでは、

これまで取り組んできたことが、本番でどうだったのか。

までは分かりません。

だから試合では、結果だけでなく、試合までの練習と本番をつなげて見ることが大切です。

振り返りは、試合前から始まっている

そのためには、試合前に、

この試合で何を目指すのか。

を考えておく必要があります。

例えば、

結果目標
県大会で決勝に進出する。

パフォーマンス目標
100mで10秒99を出す。

プロセス目標
30mまでは上体を急いで起こさず、練習してきた加速のリズムを保つ。

と設定したとします。

試合後には、この3つをそれぞれ振り返ることができます。

Association for Applied Sport Psychology(AASP)でも、試合後の振り返りとして、目標を達成できたか、ゲームプランを実行できたか、何がうまくいったか、次の練習で何に取り組むべきか、といった問いが紹介されています。

参考:Association for Applied Sport Psychology「Know Thyself: Enhancing Self-Awareness」

試合後に何を振り返るかは、試合前に何を目指していたかによって変わります。

4つの視点で、試合を振り返る

この記事では、試合の振り返りを4つの視点に整理してみます。

PLAN → FACT → GAP → NEXT の4つです。

① PLAN|何を目指していた?

まず、試合前に目指していたことを確認します。

県大会で決勝に進出する。
100mで10秒99を出す。
30mまで、練習してきた加速を実行する。

という目標です。

何を目指していたのかが分からなければ、試合後に比較する基準も曖昧になります。

② FACT|実際には何が起きた?

次に、実際の試合を見ます。

例えば、

予選敗退。
11秒05。
映像では、20m付近から上体が起き始めていた。

といった内容です。

タイムや順位だけでなく、映像、通過タイム、自分の感覚なども材料になります。

自分の感覚は大切ですが、それだけに頼らず、あとから確認できる情報も使うことで、試合をより具体的に捉えられます。

③ GAP|目指したものと、何が違った?

次に、PLANとFACTを比べます。

10秒99を目指したが、11秒05だった。
30mまで加速のリズムを保ちたかったが、20m付近から上体が起きていた。

という違いです。

ここですぐに、

練習不足だった。
メンタルが弱かった。

と原因を決めつける必要はありません。

まず、

なぜ、この違いが生まれたのだろう。

と考えます。

スタートなのか。
ウォーミングアップなのか。
疲労なのか。
試合で力んだことが影響したのか。

映像やデータを確認したり、コーチからフィードバックをもらったりしながら、可能性を探ります。

起きた事実と、その原因について自分が考えたことは別です。

④ NEXT|次に何に取り組む?

最後に、

では、次に何をするのか。

を考えます。

例えば、

30mまでの加速を練習する。

だけではなく、

次回の加速走では、20〜30mで上体が起きていないか映像で確認する。

まで具体化する。

そうすれば、試合で分かったことを次の練習に戻せます。

良かった試合も、振り返る

振り返りというと、負けた試合やタイムが悪かった試合でするものと思うかもしれません。
しかし、良かった試合にも情報があります。

自己ベストが出た。
優勝した。
目標を達成した。

そんなときこそ、

何がうまくいったのか。
次も再現したいことは何か。

を考えてみます。

「勝ったからOK」で終わると、うまくいった理由は残りません。
反対に、負けたからといって、すべてが悪かったわけでもありません。

結果と、自分のパフォーマンスやプロセスを分けて見る。

そうすることで、良かった試合からも、思うようにいかなかった試合からも、次に使える情報を取り出せます。

試合直後に、すべて答えを出さなくてもいい

試合が終わった直後は、

悔しい。
うれしい。
疲れた。

と、感情も大きく動きます。

その場ですぐに、

今日の原因はこれだ。

と答えを出す必要はありません。

まず、タイムや順位、風、レース中の感覚など、忘れそうな情報を残しておく。
そのあと映像を見る。
データを確認する。
コーチと話す。

そこから改めて考えてもいい。

スポーツに限定した研究ではありませんが、経験後に構造的な振り返りを行う「デブリーフ」に関するメタ分析では、46サンプル・2,136人を対象に、適切に行われたデブリーフが個人・チームのパフォーマンス改善に有効であることが報告されています。
特に、参加者・振り返りの焦点・目的・評価指標の整合性が効果を高めることや、進行方法・構造が影響する可能性が示されています。

参考:Tannenbaum & Cerasoli「Do team and individual debriefs enhance performance? A meta-analysis」

試合直後の感覚と、あとから確認した情報の両方を使って振り返る。

その方が、原因を早合点せず、次に必要なことを考えやすくなります。

試合を、次の練習へ戻す

試合は、一つの結果が出る場所です。

だから、勝敗やタイムが気になるのは当然ですが、そこだけで終わらせないことが重要です。

試合前に何を目指していたのか。
実際に何が起きたのか。
目指したものと何が違ったのか。
そこから、次に何を取り組むのか。

PLAN → FACT → GAP → NEXT

と考えていく。

練習してきたことを試合で確かめ、また練習へ戻す。

試合を終点ではなく、次の取り組みへつながる接続点として考える。

そうすれば、結果が良かった試合も、思うようにいかなかった試合も、次に進むための材料になります。

その試合から、次に取り組むことは見えていますか?

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この記事を書いた人

WILLINQ JOURNAL編集部。

スポーツ指導、競技経験、人材育成の実務経験をもとに、スポーツとの向き合い方、Will、目的と手段、学びについて発信しています。

答えを急ぐのではなく、問い、迷い、経験し、振り返る。
その過程で、自分なりのWillを育てていくためのきっかけを届けます。

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