結果目標・パフォーマンス目標・プロセス目標は、何が違うのか?

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「大会で優勝する」だけで、目標設定は十分なのか?

スポーツでは、目標を立てる機会があります。

県大会で優勝する。
全国大会に出る。
自己ベストを更新する。

どれも目標です。

では、

その目標に近づくために、何を目指し、何に取り組めばいいのでしょうか。

「県大会で優勝する」と決めても、それだけでは今日の練習で何をすればよいかまでは分かりません。

大きな目標を、目の前の行動まで近づける。

そのとき参考になるのが、スポーツ心理学で用いられる結果目標・パフォーマンス目標・プロセス目標という3つの考え方です。

スポーツの目標には、3つの視点がある

3つの違いを、100mを例に考えてみます。

結果目標|Outcome Goal

結果目標は、勝敗や順位など、他者との比較を含む競技結果に焦点を当てる目標です。

例えば、

県大会で決勝に進出する。

という目標です。

自分が良い走りをしても、他の競技者がそれ以上のタイムで走れば決勝に進めないことがあります。

つまり、結果目標は自分だけではコントロールしにくい目標です。

一方で、

どこまで進みたいのか。
どんな結果を目指したいのか。

という目指す先を示してくれます。

パフォーマンス目標|Performance Goal

パフォーマンス目標は、他者との比較ではなく、自分自身のパフォーマンス水準に焦点を当てる目標です。

例えば、

今シーズン中に100mで10秒99を出す。

10秒99を出して2位だったとしても、パフォーマンス目標は達成しています。

反対に11秒20で優勝した場合、結果目標は達成しても「10秒99」というパフォーマンス目標には届いていません。

結果目標との違いは、「他者との比較なのか、自分自身の基準なのか」という点にあります。

プロセス目標|Process Goal

プロセス目標は、望むパフォーマンスにつなげるための動き、技術、戦略などに焦点を当てる目標です。

例えば、

スタートから30mまでは、上体を急いで起こさず、練習で取り組んできた加速のリズムを保つ。

という目標です。

順位やタイムに比べて、自分で実行することに焦点を当てやすい目標です。

整理すると、

結果目標=どんな結果を目指すか

パフォーマンス目標=どんな水準のパフォーマンスを目指すか

プロセス目標=そのために、どう動くか

という違いがあります。

参考:Goal Setting in Exercise and Physical Activity: An Expert Statement on Behalf of Exercise and Sports Science Australia

3種類は、それぞれ役割が違う

結果目標より、プロセス目標の方が良いという話ではありません。

例えば、

結果目標
県大会で決勝に進出する。

パフォーマンス目標
今シーズン中に100mで10秒99を出す。

プロセス目標
スタートから30mまでは、上体を急いで起こさず、加速のリズムを保つ。

と設定したとします。

すると、

どんな結果を目指すのか。
そのために、どの水準のパフォーマンスを目指すのか。
そのパフォーマンスのために、どう動くのか。

がつながります。

3種類はどれか一つだけを使わなければならないものではありません。

役割の違いを理解したうえで、必要に応じて複数の目標を設定することもできます。

目的から、3つの目標を考えてみる

ただし、目標を立てる前に考えたいことがあります。

何のために、その目標を目指すのか。

以前の記事「目的と目標は、何が違うのか?」では、目的を「何のために取り組むのかという問いの先にある、実現したい姿・目指す方向」、目標を「目的に近づくために設定する、具体的な到達点」と整理しました。

例えば、

目的
自分がどこまで速くなれるのか挑戦したい。

という方向がある。

そこから、

結果目標
県大会で決勝に進出する。

パフォーマンス目標
今シーズン中に100mで10秒99を出す。

プロセス目標
スタートから30mまでは、上体を急いで起こさず、加速のリズムを保つ。

と考えることができます。

もちろん、必ずこの順番で一つずつ設定する必要はありません。

一つの結果目標に対して、複数のパフォーマンス目標やプロセス目標があってもいい。

大切なのは、目的と目標がばらばらにならないことです。

結果から、「自分ができること」へ近づける

3種類の違いは、自分でコントロールできる範囲から見ても分かります。

「県大会で決勝に進出する」は、他の競技者の結果にも左右されます。

「10秒99を出す」も、自分のパフォーマンスが中心ですが、風や気象条件などの影響を受けます。

一方、

練習してきた加速の動きを実行する。

というプロセスは、比較的自分でコントロールしやすいものです。

だから大会当日に、

絶対に決勝へ行かなければ。

だけを考えるのではなく、

そのために、今日は自分が何をするのか。

まで目標を近づけることができます。

結果目標は、「どんな結果を目指すか」。
パフォーマンス目標は、「自分がどの水準を目指すか」。
プロセス目標は、「その場で何を実行するか」。

このように役割を分けて考えると、目標を目の前の行動まで近づけやすくなります。

目標を、いまの行動までつなげる

目標設定というと、

全国大会に出る。
優勝する。
○秒を出す。

といった大きな目標に目が向きます。

もちろん、それも大切です。

でも、そこで終わらせない。

どんな結果を目指すのか。

そのために、どんなパフォーマンスを目指すのか。

そのパフォーマンスのために、何に取り組むのか。

結果目標・パフォーマンス目標・プロセス目標を使うと、遠くにある目標を、目の前の練習や本番の行動まで近づけて考えることができます。

目指す結果から、いま自分ができることまでつなげる。

それが、3種類の目標を使い分ける意味の一つです。

その目標は、いまの行動までつながっていますか?

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この記事を書いた人

WILLINQ JOURNAL編集部。

スポーツ指導、競技経験、人材育成の実務経験をもとに、スポーツとの向き合い方、Will、目的と手段、学びについて発信しています。

答えを急ぐのではなく、問い、迷い、経験し、振り返る。
その過程で、自分なりのWillを育てていくためのきっかけを届けます。

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